左手でお尻拭けますか?

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#01 きっかけ

『私の履歴書』という日本経済新聞社が出している読み物がある。

 父親が本好きで私が中学生の頃、「とおる、大人になったら読めよ。役に立つようになる」と言い、当時発売されていた全集を買って本棚に並べていた。並べられている姿を見ると壮観なのだが、父親が読んでいる姿を見た記憶はない。
 それ以外にも経営系の本がずらりと本棚には並んでおり、松下幸之助の全集とかもある。
今もなおその本は、ホコリもあまり被らず扉付きの本棚に整列し綺麗に鎮座している。
 会社を設立して7年を経った頃から会社の歴史というか、ブログではなく読み物として自身のことを書きたいなと思ってきた。
 ただ、高校の頃、国語の成績が極端に悪かった。当時の偏差値でいうと40前後を推移しており、30台になることもよくあった。
 とにかく、長文の読解能力が無いのである。「この時、太郎はどう思いましたか。30字以内で答えなさい」と出ても、自分が知らない人の事だし、自分も経験したことが無いような状況でどう思ったか、と問われても想像がつかず分からない。
 結局は自分が思ったことを回答し、ペケを喰らうのである。加えて記憶力も弱い。興味が出ないことが原因の一つではあると言い訳をしてみるが、覚えるのは苦手である。
 そのような国語力の無い人間が、『私の履歴書』を書こうとも思うのがとても滑稽なのだが、自分のことを記録として残したい。どんな考えを持ってたり経験しているのかを覚えておくため、自身の記録として思い切って書いてみようと思う。
 とても読みにくい変な言い回しや句読点の位置が怪しかったりする文章だと思うのだが、ご容赦いただきたく思う。
 今だに句読点の位置はどこが適切なのか分からない。
 なお登場人物や取引先の会社名は全て偽名として綴る。

 ちなみに立派に本棚に鎮座してる書物達を、今だに数ページしか読んでいない。
あの立派なハードカバーの本はどうも自分にとっては敷居が高く、飾って並べるに相応しく見えて仕方がない。
 手に取って読むのは本に対して失礼である、と父親の想いを余所に読まない言い訳を並べてみる。